日はまた昇る…熊本地震からの今を語る
平凡な日常
以前私が東日本大震災について書いたのは記憶に新しい(?)と思います。
それでも、東日本の震災は西日本に住む方にとってはどこか違う国の出来事のような感覚を覚えた人も多いのではないでしょうか。
その時の私はといえば、東日本にいたのですが少し離れていたこともあり地震の被害こそあれど津波の影響は皆無でした。
そんな少し被災した私ですらニュース速報で映し出される津波の映像は、どこか違う国で起きているかのようなそんな錯覚を巻き起こしておりました。
しかし、私の使命感からでしょうか…今すぐにでもどうにか私にできることをしなくては…そう思い災害派遣に従事させていただいたり、被災地にて勤めている友人知人の精神ケアを行ったりしてきました。
だからこそ、熊本に帰ってきて私が常々思ってきたことがあります。
あまりにも危機管理能力が低すぎると。
よく言えば平凡だと。
熊本地震発生
第1波
みなさんご存知の通り4/14熊本県益城地方において震度7の地震発生
私は何をしていたかといえば家族でベッドに入り眠りにつくところでした。
真下から突き上げるような強い衝撃と共に今までに感じたことのないような強い横揺れとなり、家族皆飛び起きたところを抱きしめ揺れが少しおさまるのを待ちました。
その後すぐに身支度を整え家族を連れて出勤
出勤完了まで15分もかからずの出来事でした。
出勤途中に見た光景はそれはそれは悲惨なものでしたが、幸い家が崩れているところなどはなく、道路の陥没などのみでした。
現場において被害情報の確認及び情報収集を行い、緊急ヘリなどが次々と飛んで行きました。
台風の前の静けさ
ドタバタすること18時間ほど…
数人の死者は出てしまったものの、建物などの被害も想定よりもはるかに少なく、一度自宅に帰れることとなり帰宅する運びとなりました。
帰宅途中あまりにもお腹が減っていたのでコンビニに寄ろうかとも思いましたが、現状を鑑みて一度帰宅後着替えて出かけることに。
そして着替えた後コンビニに向かう途中目に入ってきたものは…
飲み屋から大笑いしながらフラフラになって出てくる集団
コンビニにたむろする若い集団
そんな人たちを見て「平和ボケにもほどがあるな…」と率直に思いました。
このあと強い地震がまた来たらどうするのだろう…そんな心配をしつつさっさと買い物を済ませて帰路につきました。
第2波襲来
ようやく家族の興奮も落ち着き始め、眠りにつき始めた頃恐れていたことが現実のものとなりました。
4/16 1時頃熊本地方にて震度7の地震(本震)発生
余震よりもはるかに強い横揺れ
家具家電がめちゃくちゃに…
家族を連れまたすぐさま職場へ急行
職場に向かう途中自警団の方々と少し会話をし、住民を避難させていただきつつ数時間前の酔っぱらった人達は大丈夫だろうか…などと考えましたが、飲み屋の前に群がる人達を見て安堵
変わり果てた街並みを背に職場へ再度急行
騒然とする社内
到着したのは発生から10分ほどだった頃
まだ職場に残っていた人達が騒然としていました。
続々と出勤してくる者、家が潰れて出勤できない者諸々いましたが、そんなことも御構い無しに現状把握、情報収集を行う。
東海大に取り残された者、阿蘇大橋崩落につき行方不明になった者、南阿蘇に隔離されている者
今回の被害は甚大でした。
家屋倒壊、半壊、一部損壊多数
未だに営業していない大型店も数多く被害の大きさを物語っています。
不眠不休でひたすら動き続け、私は指揮所で勤務のためなかなか現地に行くことができませんてしたが、一度だけ現地に行く機会があり、現地を偵察しましたが夜間のこともあり周りは真っ暗、大雨の影響で土砂崩れ、落石多数、道路は陥没
片側は崩れ落ち、家はぺちゃんこ状態…
本当に現場は悲惨な状態でした。
そんな中人気の全くない落石だらけの中一台の車を発見
中にはお母さんと娘さん二人
横を通るとどうやらパンクして動けない様子でした。
お母さんに話しかけたところJAF待ちとのことでしたが、この状況ではいつ来るかわからない上に落石や土砂崩れの危険も高いため、急いでタイヤ交換を実施
すぐに離れるように指示しました。
私の唯一の災害派遣っぽい災害派遣といえばこれだけです…。
現地の方と直に触れ合うことができたのはここだけでした。
あとは常に指揮所勤務なので、やはり指揮所では見えないものも多く、現地に行けたのは私の中では大きな影響を与える物でした。
今の状況
だいぶ被災地は落ち着きを取り戻しつつあり、一部物資がまだ足りていない場所もありますが食事は取れるようになってきました。
まだまだ被災前とは比べ物にはなりませんが、少しずつ笑顔が戻りつつあります。
私たちに今何ができるのか…
それを考えて、少しでも多くの方が動くことが一番大事だと感じました。
災害復興で一番大事なのは民間の方々がお金を使いお金の流れを作ること。
要はインフラ整備です。
この段階までくると我が社が動くと逆効果になるため手を引き始めます。
これから私たちにとって代わるのは他県からの観光客の皆さんやボランティアで来られた方々です。
被災地でお金を使っていただくことで少しずつ私たち被災者の生活が元の生活に戻っていくのです。
被災して危ないから….と敬遠される方も多いとは思いますが、少しでも元気を分けていただければと思います。
現在避難している数は2万人です。
この方々を少しでも早く元の生活に戻してあげられるよう私も個人的に頑張っていきたいと思います。
今回の教訓
- 日頃からの危機管理をしっかりと
- 避難所の場所を知っておく
- 災害備蓄はしっかり
- 苦しい時こそ人の真価を問われる
皆さんが知っている限りの避難場所、住所を教えていただけませんか?
県の指定する避難場所以外の避難場所が多くあります。
そのため把握しきれていない状況です。
もし可能であればその情報をもとに災害対策アプリを作ってしまおうかと思っております。
ご協力よろしくお願いいたします。
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