陽だまりの中で

~香川フリーランスのぼやき~

誰にも信じてもらえない体験~よからぬ客とわたし~

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お題「誰にも信じてもらえない体験」

はじめに

こんにちわかなたです。
今日は特にネタも浮かばないのですごく久しぶりにお題について話してみたいと思います。
今日のお題は「誰にも信じてもらえない体験」
以前不思議な叔母の話をしたことがあるけれど覚えている方はいらっしゃるだろうか?
hatena.hinakana.net
あまり反響のなかったこの記事
わたしはこのような不思議な人に囲まれている。
いや、囲まれていた・・・の間違いだ(笑)

ある日

まだ中学生の頃の話
そのころの私といえば兎に角親父との仲が悪かった。
何かと流血するまで手をあげられるのが非常に腹立たしかったのだ。
まぁ今思えばそれも躾の一環だったのだろうが、そのころの私には反抗心しかなかった。
ある晩例のごとく殴り飛ばされ、家を飛び出した。
この頃の私といえば単発的な家出が多かった。
もちろん夜なので周りも暗く、夏ということもあって蚊が多かった。
蒸し暑く、「これは野宿は厳しいな・・・」
そう判断した私は学校で一夜を過ごし、そのまま朝を迎え授業を受けることにした。

怪談の多い学校

私の学校は何かと怪談の多い学校だった。
とはいっても、よくある「学校の七不思議」的なあれだ。
どこの学校でもある話なのだが、変わっているのは目撃情報がやたらと多いところにあった。
例えば音楽教室
「夜誰もいないのにピアノの音が聞こえる」
「何度消しても気づけば電気がついてる」
渡り廊下
「夜人影が見えた」
給食室前
「給食室前の電話ボックスが2時になると鳴り響く」
「給食室前に佇む人影が見えた」
プール
「夜誰もいないのに泳ぐ音がする」
体育館
「誰もいないのにボールの跳ねる音がする」
廊下
「誰もいないのに足音が聞こえる」
このような話の尽きない学校だった。
もちろんこの中には眉唾も含まれていると思うし、自分自身も信じていなかった。
そもそも怖がっているから幻覚・幻聴が聞こえたのだろうと。
この時までは。

到着

学校についたわたしはとりあえず校内に入ることにした。
とは言っても学校だけに戸締りはちゃんとしてある。
もちろん玄関含め1Fエリアはすべて鍵がかかっていた。
しかし別館の3Fを見上げると音楽教室に電気がついている。
「これは誰かいるな・・・。」
と、いうことはどこかに入口があるはずだ。
探せど暮らせど見つからない。
仕方がないので身体能力を生かして2Fに上がることにした。
案の定2Fは鍵がかかっていない場所があった。
とはいえ、もう幾分古い校舎なので窓の立て付けも悪く、揺らしていれば鍵は外れるのだが・・・。
とりあえず中に入れたので自分の教室で机に突っ伏して寝ることにした。

よからぬ客

机に突っ伏して寝ているとどうも廊下の奥で物音がする。
職員室のほうからだ。
「まさかこの時間に誰かいるのか・・・?」
すでに時刻は0時を超えている。
「仕事熱心な先生もいるものだ・・・。」
誰が残っているのか興味を持った私はこっそり覗きに行くことにした。
職員室は教室の前の廊下をまっすぐ行った突き当りにある。
廊下に出てみると生ぬるい風が頬をなでる。
外はシトシト雨が降っているせいか服が体にくっつく感触が気持ち悪い。
目線の先に職員室を確認
しかしおかしいことに気付く
電気がついていないのだ。
「そういえば確か校門をくぐって入ってきたときも電気なんてついていなかったぞ・・・?」
この音の正体は誰なのだ。
益々気になって先を急ぐ。
階段の目の前についた。
ふと目線を踊り場に卸すと鏡が置いてある。
鏡の中は闇だ。
真っ暗な闇
そのまま通り過ぎ、職員室に到着
やはり電機はついていない。
しかし確かに物音はする。
果たしてこの音は何なのか・・・。
ドアをこっそり開けようとするも鍵がかかっている。
「おかしいな・・・」
そう思った時だった
急に光が目の前に現れた。
目の前のすりガラスが光ったのだ。
「これはマズイ!」
本気でその場を後にしたのだった。

客の正体

翌日私は普通に学校に登校した。
いつもといたって変わらぬ普通の学校・・・
ではなかった。
校門の前にパトカー
「ん??」
不信感を抱きつつ教室へ
自分の席に着くと友人の話が聞こえてくる。
「どうも昨晩職員室に泥棒が入ったらしいよ」
「金庫からお金とか盗まれたんだって!」
ほほー・・・
なるほどなるほど・・・
泥棒が盗みに入ってる現場に出くわしてしまっていたわけか・・・
私はどうやら泥棒と時を同じくして学校に入っていたらしい。
もし私があそこで逃げずにその場にいたのならば殺されていたのかもしれない。
もちろん私はこのことは秘密にしている。
だってばれたら大目玉だからだ。
次誰かいたら確かめずにすぐに逃げよう・・・

よからぬ客再来

そんなことを思い出しながらまた私は同じく机に突っ伏して寝ていたのだ。
すると闇夜の中女子数人の笑い声が聞こえた。
「ん??また今日も先客がいるのか・・・」
廊下の奥・・・
また職員室のほうからだ。
「女子のくせに肝っ玉座ってるなぁ・・・。」
廊下をこっそりと見やる・・・
コツコツコツ・・・
足音が聞こえる
「やばい・・・こっちに向かってきている!」
見つかると後々面倒だと感じた私はすぐさま教卓の下に隠れた。
木のにおいが鼻につく
しかも蒸し暑いと来たものだ。
「いつまでも隠れていられないな・・・」
そう思いながら息をひそめる。
コツコツコツ・・・
相変わらず足音は近づいてくる。
「誰か忘れ物でもしたのかな・・・」
本当にいらん客ばっかり来る。
早く帰っていただきたいものだ。
そんなことを考えていると足音がやんだ。
どうやら教室の一歩手前で止まっているようだ。
「向こうも警戒しているのか?」
そう思った私はまた「誰が来たのか?」という好奇心に負け教卓の下から廊下を覗き見た。
なんとそこには・・・






暗闇が広がっているだけだった。
「なんだ・・・俺の気のせいか・・・」
私は安堵し教卓を出る決意を固めた。
コツコツコツ
また足音が聞こえ始める。
「やっぱり誰かいやがった!!」
すかさず教卓の下から廊下を覗き見る。
コツコツコツコツコツコツ
足音が聞こえる
コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ
教卓の周りを歩いている!!
もちろん何も見えるわけがない!!
「うわっ今度はこっちの客かよっ!!」
声も出ぬまま教卓の下を飛び出し廊下へ飛び出した
そのまま階段を通り踊り場を通過
鏡の中には私ともう一人・・・
そのまま階段を飛び降り
玄関の鍵を開けて外に飛び出した。
「あと少しで校門だ・・・!」
そう思った途端
私の目の前をまた白い光が覆った・・・。

初めての夜食

「これ食ったら帰ろうな」
私は頷きながらコンビニ弁当をほおばっていた。
隣にはどんぐり頭の通称ドラえもんといわれる私の担任が座っている。
こんな時間にコンビニ弁当をほおばるなんて・・・背徳感が逆に心地よい。
私はあの後、うちの親から連絡を受けた担任の車に遭遇して保護されていたのだった。
どうも担任の話だとここは墓地を後にした学校らしい。
担任も車で来てみたもののいるわけがないと引き返すところだったらしい。
そこでちょうど私を見つけたというわけだ。
「まさか本当にお前がいるとはな~。度胸あるなお前」
担任はなぜか楽しそうだ。
私は弁当をきれいに平らげ担任に送り届けられた。

おわりに

果たして彼女は誰だったのか?
それを知る術も信じる者も誰もいない。
しかし私は思う。
本当に自分たちの知らないものは沢山この世にあふれている。
事実、私はこれ以降様々な物を感じ視ることになるのだから・・・。
それはまたいつか話せる時が来れば・・・。

アパシー 学校であった怖い話1995 特別編

アパシー 学校であった怖い話1995 特別編

*1:※画像はイメージです。