陽だまりの中で

~香川フリーランスのぼやき~

高校時代に出会った名作!誰をも星に変えうる作品

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はじめに

ふと天を仰ぐと無数の星が瞬いている

よだかも同じものを見ていたのだろうか・・・

ふと、そう思う時がある

 

 

名作との出会い

「よだかの星」・・・という作品をご存じだろうか?

小学校の国語の授業などでも取り上げられたことのある、宮沢賢治の短編小説の一つだ

 

高校の頃、読書感想文を提出する"宿題"が出されたことがあった

その当時、私は読書にはまっていた

当時読んでいたのは「西尾維新」の戯言シリーズだ

しかし、読書感想文とするにはあまりにもシリアスで面白おかしく、摩訶不思議な作品であった

そのため、家に眠っていた小説の中から書くことにしたのだ

そして家を漁っている時に見つけた本が宮沢賢治「新編 銀河鉄道の夜」だ

一生で一度のミラクル

 私がそれを読み切るまでにたいして時間はかからなかった

それほど引き込まれるものがそこにはあったのだ

中でも一番惹かれたのが

そう、「よだかの星」だった

 

私は読書感想文にこれを選んだ

まず、どのような想いで「よだか」は最期を迎えたのか・・・

そう考えるとたまらなく悲しくなったのを覚えている

そのため、冒頭で述べた言葉を出だしに使うことに決めた

 

私の文章はとても人前に出せるものではなかった

小学校のころは作文を親に書いてもらっていたほどだ

自分でも文才があると思ったことは一度もない

そんな私が初めて出した読書感想文で、なんと学校代表作品の一つとして選ばれたのだ

このようなミラクルな出来事は文字を書くという行為にあたっては最初で最後であった

その作品は今でも母校に眠っている

 

 

よだかがくれたもの

私にとって「よだかの星」は人生を見つめ直すいい機会となった

人の子を授かった今でも、「よだかの星」は私の一番のバイブルである

まさに「非暴力は最終的に暴力よりも破壊力を持つ」というガンディーの思想と共通している

自分の問題から逃げ出すことなく、むしろ自分の名を守りぬくことを選んだ「よだか」は私のメンターでもあるのだ

 

 

最後に

私が一瞬で魅入られた「よだかの星」という作品は

間違いなく私をも星にしうるだけの作品だったのだ

それだけの力がこの作品には込められている

 

編集後記

「よだかの星」の始まりは「よだか」を貶すところから始まる

「かわせみ」と「蜂すずめ」の兄として描かれており、兄弟とのギャップ

名前に鷹と付いていながらも鷹にすらなり切れず自分の醜さに打ちひしがれてしまう

最終的には自分の存在意義や普段からの行いを悔いるようになる

そこで「よだか」が出した答えがこの作品の魅力を大きく引き出している

宮沢賢治の隠れた名作の一つと言って間違いはないだろう

読んでおきたいベスト集! 宮沢賢治 (宝島社文庫)

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